『独身寮を出ることになった。急いでアパートを探すよ』
何ですと!!!
急いで、電話をかけた。
8月から入社してくる者と転勤してくる者が独身で、独身寮への入寮を希望したため、独身寮の部屋が足りなくなってしまった。
夫はいずれ、家族で住めるようなアパートを借りるのだから、今のうちに、探して引っ越すように、と言われたとのこと。
私はこのとき、子どもたちとともに、帰省中。
すぐに夫の赴任先に行けるわけでもなかった。
仕方なく、新居に希望する条件をズラズラと並べ立てたものの、イマイチ心もとない。
電話を切って、すぐ、父のパソコンを借り、ネットで賃貸検索。
『便利な時代になったものだな〜〜』などと、背後でのんきに父親がつぶやく中、ようやく条件に合致する賃貸住宅が、2件だけ見つかった。
本当に運が良かったと思う。
我が家は、賃貸住まいのくせに、『庭付き』を絶対条件に挙げるので、なかなか物件が見つからないものだ。
メイの入園前の引越しも、庭付き物件を探して、半年、引越しを延期したくらいだ。
見つけた物件を、夫の携帯に送信して、一安心。
・・・と思ったら、次の日、携帯にTV電話がかかってきた。
何事かと思いきや、『今、昨日教えてもらった物件、内見しているから、ちょっと見てよ』
そう・・・・
庭付き物件がなかなかでないことを知っている夫は、私が見つけてきた物件を、早々に契約しようとしていたわけだ。
しかも、2件を1件に絞った理由は、『庭の広さ』
そんなこんなで、生まれて初めて、TV電話の映像を見ただけで、自分の住む家を決めることになってしまった。
もちろん、ネットで見た間取り図で、難を感じていたところもあったが、賃貸では、100%希望通りなんてことは、滅多にないと思っているし、部屋の配置や大きさ、庭付きとか、周辺環境などは、もう1つの物件よりは、良いと感じていたので、ネットでの検索に、この物件が引っかかった時点で、ここに住むのは決まっていたようなものなのかもしれない・・・・
その日の夜、『契約したよ』と、夫からメールが来た。
だが、これで家が2軒になってしまった。
もともと、夫は自分の部屋に、TVや冷蔵庫を持っていたので、それを持っていけばいいのだが、カーテンや、シーリングライト、そして猛暑のおかげでエアコンも、私が最近調子が悪いと漏らした洗濯機も、新たに購入する羽目になってしまった。
独身寮にいたときは、TVと冷蔵庫と布団だけ持っていけば、シーリングは備え付けだし、洗濯機は共有のものが置いてあるし、カーテンなどは、以前に出て行った人が、置いていったものを、寮で保管してあり貸してくれたので、大きなものを買う必要はまったくなかった。
はっきり言って、思わぬ出費だ。
これらの購入品を、すべて夫が買っている暇はないと言う。
それは、月末の繁忙期に入るので、仕方がないと思い、購入物や、家具の配置を考えるための採寸も兼ねて、赴任地に行ってきた。
行ってみて、いろいろ採寸したところ、細かい難が結構あった。
例えば、カーテンの丈は206cm必要で、既成サイズでは合わないとか、物干しの竿受けから竿受けまでが4mあって、竿受けからはみ出す部分の長さも考え合わせると、転勤族に便利な伸縮物干し竿は最長4mなので使えない上、はみ出す部分も考慮に入れた4.5mという長さでは、特注品になってしまうとか、風呂と洗面所の段差が30cm以上あって、子どもたちが入りにくそうとか。
まぁ、難はあったが、私たちが引っ越すまで、あと半年ある。
何とか対処方法を考えよう。
それにしても、TV電話で、物件を見て、契約するなんて、もう2度としたくないものだ。
TV電話で見たって、まるでドラマでも見ているかのようで、実感がわかないし、細かいところがわからない。
やっぱり自分の目で見るのが、一番だ。

